脳神経外科領域の主な疾患、「もやもや病」について

脳神経外科領域の主な疾患

もやもや病とは

人間の脳は左右の内頸動脈と左右の椎骨動脈の合計4本の太い動脈によって栄養がおくられており、これら4本の動脈は脳底部で互いに繋がって輪(ウィリス動脈輪といいます)を形成し、動脈が一本詰まっても他の血管から血液が流れ込むように働いています。
もやもや病とは、左右の内頸動脈が急速に狭くなったりつまる病気で、脳血流が不足します。その結果、本来は細いはずの毛細血管が広がって脳血流を維持しようとします。この様子が立ちのぼる煙のようにもやもやと見えるため、この病気がもやもや病と名づけられました。
アジア系人種に多く、日本が最多、ついで韓国に多いと報告されています。男女比は1:1.8と女性の患者の方が多く、発症時年齢分布のピークは、5~10歳と30~40歳の2つがあります。最近は成人の患者さんが増加し、また脳ドックなどで無症状で見つかる例が増えています。 

1.もやもや病の主な症状

小児

小児のもやもや病の多くは、頭痛、失神発作、脱力発作、けいれん発作などの症状を認めます。これらの症状は、熱い麺類を“ふーふー”しながら食べた、楽器を演奏したなど・・大きな呼吸を短時間で繰り返したときに脳への血液の供給が足りなくなる脳虚血で起こります。また脳梗塞を発症することもあり、そのときは梗塞の発生の部位によって運動麻痺や失語等といった症状のほか、精神発達遅延、知能低下や学習障害が現れることも多くあります。年齢的には5歳以下の乳幼児で脳梗塞の発症が多く、重篤な場合が多くなります。

成人

成人は脳出血で発症することが多く、出血の部位により症状が異なります。運動麻痺や言語障害といった症状のほか、意識障害、けいれん、一過性の頭痛などの症状が現れます。出血の部位や出血の程度で異なりますが、一般的に脳虚血時に比べて、緊急の対応が必要となります。脳虚血のときは、小児の症状と基本的に同じです。

2.もやもや病の主な原因

自己免疫や血管炎説が考えられてきましたが未だ不明です。 約10%の患者さんに家族間での発生が認められることから、現在遺伝子解析を行うことにより原因を追及しています。

3.もやもや病の検査

もやもやした血管の状態を評価するために、MRA、脳血管撮影などがあります。このどちらかの方法で確定診断が可能です。突然おこる出血は、CTで診断します。けいれん発作は、脳波検査を受けるとこの病気に特徴的な結果が得られます。

検査画像 MRA
検査画像 T2強調画像
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