脳神経外科領域の主な疾患、「慢性硬膜下血腫とは」について

脳神経外科領域の主な疾患

慢性硬膜下血腫とは

慢性硬膜下血腫とは、頭部外傷後(通常1~2ヶ月後)に頭部の頭蓋骨の下にある脳を覆っている硬膜の下の脳との隙間に血が貯まる病気で、血腫が脳を圧迫して様々な症状がみられます。これは高齢で男性に多く見られます。一般的には軽度の頭部外傷の後の慢性期(3週間以降)に頭痛、歩行障害、認知症などで発症します。年間発生頻度は人口10万人に対して1~2人とされています。 

1.慢性硬膜下血腫の主な症状

症状としては、典型例では簡単な頭部外傷後、数週間の無症状期を経て頭痛、嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状、片側の麻痺(片麻痺)やしびれ、けいれん、言葉がうまく話せない(失語症)、認知症や意欲の低下などの精神障害とさまざまな神経症状が見られます。これらの症状は年代によってかなり差がみられ、若年者では主に頭痛、嘔吐を中心とした頭蓋内庄亢進症状、加えて片麻痺、失語症を中心とした症状がみられます。
一方、高齢者ではもともとある脳萎縮により頭蓋内圧尤進症状は少なく、認知症などの精神症状、失禁、片麻痺(歩行障害)などが主な症状です。認知症だけで発症する慢性硬膜下血腫もあり、比較的急に認知症症状が見られた場合には慢性硬膜下血腫を疑うことも重要です。

2.慢性硬膜下血腫の主な原因

軽度の頭部外傷をきっかけにして、脳の表面に微量の出血あるいは脳脊髄液(のうせきずいえき)がたまって、その反応でつくられる膜から少しずつ出血が繰り返され、血腫が大きくなると考えられています。高齢者に多く、きっかけになる頭部外傷がはっきりしないことも珍しくありません。その原因としては、アルコール多飲、脳圧の低下、感染、動脈硬化、貧血などが考えられています。実際のところ、明確な病因はわかっていません。

3.慢性硬膜下血腫の検査

きっかけになる頭部外傷の直後では、頭部CTで異常が認められないことがほとんどです。症状が現れれば血腫によって脳が圧迫されているので、CTで診断されます。また、慢性の血腫はMRIで特徴的な所見を示すので、頭部MRIも診断に有用です。

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