もやもや病とは
正式には「ウィリス動脈輪閉塞症」と言います。
大脳へ血液を送る頚動脈が頭の中で詰まったり(閉塞)、狭くなったりするため(狭窄)、脳の深い部分の細い動脈が、不足する脳の血流を補うための助け舟(側副血行路)として発達し太くなり、異常な血管構造を呈します。これらが脳血管撮影検査でタバコの煙のように「もやもや」した様子に似ているため「もやもや病」とも呼ばれ、こちらの方が一般的になっています.
もやもや病では、脳血管の閉塞がゆっくりですが進行し、必ず左右両方の脳血管が狭くなってきます。
発症は?
脳虚血(脳への血液の供給が足りない状態)や脳出血(脳の血管が破綻して出血すること)で発症します。
発症時の年齢分布は2つピークがあり、10歳までの子供は脳虚血で発症することが多く、30-40歳代の大人は、脳出血で発症する場合が多いです
発生頻度は、10万人に対して3.16とされ、日本で年間に約400人の新たな患者が発生していると思われます。世界中で、もやもや病の報告はありますが、何故か東アジアに多く、中でも圧倒的に日本に多く発生しています。
症状は?
もやもや病の症状には、片半身の麻痺や知覚異常、けいれん、不随運動(手足が勝手に前後・上下に勝手に動く)、歩行障害、上肢・手の麻痺、構音障害(呂律が回らない)、失語症(言葉が出ない)、話しにくい、話が分かりづらい、視野異常(見える範囲が欠ける)などがあります。
もやもや病以外でも同様な症状が出ることがあります。逆に、もやもや病の典型的な症状でないため診断が遅れる場合には、学力の低下(物忘れがある)、めまい、行動異常(落ちつきがない)、視覚異常(見にくい)、両足の脱力、全身の虚脱、失神発作、頭痛、嘔吐、嘔気などがあります。
お子さんの場合
子どもさんの場合、過呼吸により起こる「一過性脱力発作(※1)」と呼ばれる発作が特徴的です。例えば、泣いたり、熱い食べ物を食べるときに「フーフー」と息を吹きかけたり、歌を歌ったり、ハーモニカや笛を吹くなどの過呼吸で、数分間手足の力が抜けてしまいます。手の力が抜けると物を落としたり、足の力が抜けると座り込んでしまいます。
このような症状は数分間で戻ってしまうため、病院に受診したときにはすでに症状がなくなっていることも多く、日頃からご家族、特にご両親が子どもさんの症状に気をつけて見ていく事が大切です。幼稚園や小学校に入学されたお子さんの場合は、学校の先生が異変に気付かれることもあります。
(※1)一過性脱力発作とは、手足が麻痺しますが数十秒や数分後に改善する症状です。
検査で分かるの?
約20年前には、検査法として脳波検査と脳血管撮影しかなく、診断が困難だっため、この病気は大変珍しい病気だと言われていました。
現在では、MRI検査(MRI・MRA)の出現で、診断や経過観察法も大きく変わり、MRI&MRA検査で外来で診断できます。
注射する必要がないので、子どもさんも比較的容易に検査できます。
(写真はMRI検査の画像)
気になる症状があればお気軽にご相談ください。
かつてもやもや病は、手足の麻痺や言語障害などの重篤な後遺症を出して初めて診断される病気でした。しかし今では、軽い一過性脱力発作や失神などの段階でMRI検査を受ければ、見つけることができる病気です。
しかも、専門医師の管理の元で暮らせば重い後遺症を出さずに普通の生活が送れる病気です。
どうぞ、これらの一過性の症状を見逃さずにMRI検査を受けて下さい。
もやもや病患者さんのご家族の方も希望されればMRI検査を行っております。
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